【月刊レポート】IoTエネルギーハーベスティング最新ニュース(2026年3月号)

国内ニュース(Japan)

1. UHF帯RFIDの新国際規格「ISO/IEC 18000-65」が承認・発行

電池交換不要な無線センシングの標準化が完了し、Ambient IoTの普及が加速します。

  • 概要: パナソニック ホールディングス、慶應義塾大学、デンソーウェーブ、RAMXEEDらが提案していた新規格が、2026年2月に国際標準規格として正式に承認・発行されました。
  • ポイント: 従来のRFIDは単なるID読み取りが主でしたが、新規格は「エネルギー伝送」と「センサーデータの連続取得(ストリーミング)」に特化しています。これにより、光や熱がない場所でも電波(RF)だけで駆動する完全バッテリーレス・センサーの相互運用性が保証され、物流・製造現場での導入コストが劇的に低下します。
  • 出典: パナソニック ホールディングス プレスリリース(2026/02/16)

2. NEDO、次世代ペロブスカイト太陽電池の量産実証にカネカ・長州産業を採択

「タンデム型」量産技術の確立に向け、約94億円規模の政府支援が動き出しました。

  • 概要: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2026年2月6日、グリーンイノベーション基金事業の一環として、次世代太陽電池の量産化に向けた提案を採択しました。
  • ポイント: 今回のプロジェクトでは、変換効率30%超を目指す「ペロブスカイト/シリコン・タンデム型」の量産技術を検証します。ビル壁面や住宅の窓など、都市部での設置を想定しており、将来的に都市全体をIoTセンサー群の巨大な電源供給網に変える「都市型エネルギーハーベスティング」の基盤となります。
  • 出典: 株式会社カネカ プレスリリース(2026/02/06)

3. 産総研、ペロブスカイト太陽電池の寿命を延ばす添加剤を製品化

材料レベルでの技術確立により、メンテナンスフリーが必須のIoTデバイスの信頼性が向上します。

  • 概要: 産業技術総合研究所(産総研)は2月2日、ペロブスカイト太陽電池の高効率・高耐久化を実現する添加剤「OA-TFSI」の開発に成功。東京化成工業から2026年2月6日に一般販売を開始しました。
  • ポイント: 本添加剤は、ペロブスカイト層の欠陥を抑制し、湿気や熱による劣化を防ぎます。10年以上の連続稼働が求められるインフラ監視用や農業用IoTセンサーなど、過酷な環境下で使われるエネルギーハーベスティング端末の実用化を支える核心技術です。
  • 出典: 産総研 プレス発表(2026/02/02)

海外ニュース(Global)

4. Dracula Technologies、Embedded World 2026で最新OPV技術を公開へ

フランスのリーダーが、屋内光発電を組み込んだ「完全自律型」組み込みシステムを披露します。

  • 概要: 有機薄膜太陽電池(OPV)のパイオニアDracula Technologiesは、2026年3月に開催される「Embedded World 2026」に先立ち、2月19日に最新の展示概要を公開しました。
  • ポイント: インクジェット印刷で製造される同社の「LAYER」技術により、センサーの筐体そのものが発電するデザインが可能になります。2026年2月には、大規模なIoTネットワークにおける運用コストを、従来の電池式に比べて最大40%削減できるとする経済性も示されました。
  • 出典: Dracula Technologies News(2026/02/19)

5. Wi-SUN Alliance、エネルギーハーベスティング対応規格「FAN 1.1」の認証を開始

スマートシティ向け広域無線通信において、バッテリーレス端末の相互接続性が確保されます。

  • 概要: 無線通信規格推進団体のWi-SUN Allianceは、2026年2月5日、超低消費電力および環境発電デバイスに最適化した「FAN 1.1 Low Energy」の認証プログラムを開始しました。
  • ポイント: これまで電力消費が大きく困難だった「環境発電による広域メッシュ通信」が可能になります。街灯や公共インフラからの微小電力だけで10年以上動作し続けるスマートシティ向けセンサーの導入障壁が大きく下がりました。
  • 出典: Enterprise Times / Wi-SUN Alliance News(2026/02/02)

6. 欧州「SMARTLINE-PV」プロジェクト、毒性のない鉛フリー太陽電池開発を加速

環境負荷の低いエネルギーハーベスティング技術により、民生用IoTへの導入が進みます。

  • 概要: 2026年1月26日に詳細が発表されたEU主導のプロジェクトにおいて、2月より「スズベース」の次世代ペロブスカイト太陽電池の実用化開発が本格始動しました。
  • ポイント: 子供が触れる玩具やウェアラブル機器など、毒性のある鉛が使えなかった用途でのバッテリーレス化を目指します。製造プロセスの低コスト化と、既存の電子機器への容易な統合(スケーラビリティ)を2026年内の目標に掲げています。
  • 出典: Innovation News Network(2026/01/26発表・2月本格始動)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次